空はよく晴れて、地上の夕闇が濃くなるに従い三日の月が光を増していたが、半月前に近江路を落ちて来たときに比べると、河原から吹いて来る風がひとしお身に沁み渡るのであった。
四つの首がならんでいる前へ来ると、黙って手を曳いていた乳母が笠の庇の下からあたりを見廻して、人通りのとだえた隙を測りながら合図をした。
そうしてしずかに笠の緒を解いて、袂から数珠を出した。
空はよく晴れて、地上の夕闇が濃くなるに従い三日の月が光を増していたが、半月前に近江路を落ちて来たときに比べると、河原から吹いて来る風がひとしお身に沁み渡るのであった。
四つの首がならんでいる前へ来ると、黙って手を曳いていた乳母が笠の庇の下からあたりを見廻して、人通りのとだえた隙を測りながら合図をした。
そうしてしずかに笠の緒を解いて、袂から数珠を出した。