乳母は半信半疑なので、娘をうしろへ庇うようにして、その声の主を振り仰ぐと、淡い月光を浴びながら、ひどく薄汚いなりをした一人の乞食のような男が杖をついて立っていた。
自分を「愚僧」と呼ぶからには、多分僧形をしているのであろうが、襟に大きな数珠を懸けていることは分るけれども、その身に纏っているものは法衣とも何とも正体が見定め難いほど、袖口や裾が擦り切れていて、頭には髪がぼう/\と伸びている。
そうして、自分がめくらであることをよく改めて貰うかのように、顔を月下に仰向けて反り身になっているのである。
乳母は半信半疑なので、娘をうしろへ庇うようにして、その声の主を振り仰ぐと、淡い月光を浴びながら、ひどく薄汚いなりをした一人の乞食のような男が杖をついて立っていた。
自分を「愚僧」と呼ぶからには、多分僧形をしているのであろうが、襟に大きな数珠を懸けていることは分るけれども、その身に纏っているものは法衣とも何とも正体が見定め難いほど、袖口や裾が擦り切れていて、頭には髪がぼう/\と伸びている。
そうして、自分がめくらであることをよく改めて貰うかのように、顔を月下に仰向けて反り身になっているのである。