と云う意味は、盲人の直話ではないにしても盲人自らが語りつゝあるような口調を以て綴るべきか、それとも尼が源太夫を相手に話している感じを出すべきか、だがその孰れの方法に依っても此れから以下が地の文と離れてしまって、前とのつながりが切断される憾みがある。
私の注文は尼が盲人と近づきになったいきさつから、盲人自身の物語へ移る境目を際立たせないようにしてすら/\と這入って行きたいのであるが、そうするためには矢張聞書の書き方に倣って直接法と間接法とを適宜に織り交ぜて行くべきであろうか。
けれども物語の性質から云うと、大体は盲人の直接法に依る方が都合がよいように思われるので、筋の進展に従って結局そうなって行くことを餘儀なくされるかも知れない。