したがなんぼう御気象の荒いお方でも、そのようなことが真実ございましたかどうか、愚僧はたゞの一遍も自分で見たことはござりませぬ、まあ話半分と思うて、聞いていたゞけでござります」
そうして順慶は、却って秀次の性情の優美な方面を説くのである。
「世間の人は殺生関白などゝ申して、むごたらしいことがお好きなように申しますが、あれでなか/\風雅の道をお嗜みなされ、和漢の古書をお集めなされたり、連句や詩歌の会をお催しなされたり、思いの外やさしいところがおありになりました。
したがなんぼう御気象の荒いお方でも、そのようなことが真実ございましたかどうか、愚僧はたゞの一遍も自分で見たことはござりませぬ、まあ話半分と思うて、聞いていたゞけでござります」
そうして順慶は、却って秀次の性情の優美な方面を説くのである。
「世間の人は殺生関白などゝ申して、むごたらしいことがお好きなように申しますが、あれでなか/\風雅の道をお嗜みなされ、和漢の古書をお集めなされたり、連句や詩歌の会をお催しなされたり、思いの外やさしいところがおありになりました。