その時太閤殿下には、作り鬚、作り眉を遊ばし、鉄漿をおつけになりまして、美々しき衣裳をお召しなされ、供奉の人々も皆々派手を競われて、若々しきいでたちをなされましたので、その行列を拝見しようと、大勢の群集が野にも山にも満ち/\たほどでござりました。
そうして二十七日に六田の橋へお着きなされ、市之坂をお上りなされますと、大和中納言秀俊卿が道の傍に御茶屋をしつらえて、お待ちになっておられました。
殿下はそこで御休息遊ばし、おもてなしをお受けなされまして、それより千本の桜、花園、桜田、ぬたの山、かくれがの松などを御覧遊ばし、