蓋し順慶は、まだその時まで武門の意気地を捨て切れなかったのであろう。
即ち彼としては、切腹仰せ付けられようとも武士たる道を蹈み違えまいとする一念が、心中に燃えていたので、舊主に見えてその裁断に服しようとしたのであろう。
が、彼が自分では意識しない心の奥の秘密を云えば、関白家を滅ぼした主人三成の手に依って、同じくば自分も死なして貰いたいと云う淡い意地が潜んでいなかったであろうか。
蓋し順慶は、まだその時まで武門の意気地を捨て切れなかったのであろう。
即ち彼としては、切腹仰せ付けられようとも武士たる道を蹈み違えまいとする一念が、心中に燃えていたので、舊主に見えてその裁断に服しようとしたのであろう。
が、彼が自分では意識しない心の奥の秘密を云えば、関白家を滅ぼした主人三成の手に依って、同じくば自分も死なして貰いたいと云う淡い意地が潜んでいなかったであろうか。