その第一は舊主の成敗を仰ぐべく三成の邸を訪ねて行った時であって、まだそれまでは、一の台の局に同情していたと云っても、一方に武士の矜りを捨てゝいなかったと云える。
第二は、舊主から永の暇を賜わって、全くの座頭となり下った時である。
此の時代の彼は既に武士ではなくなって、思いは日夜かの不仕合わせな上﨟母子の身の上に馳せながら、なお内心に何故とも知れざる自責の念と慚愧の情とが往来していた。
その第一は舊主の成敗を仰ぐべく三成の邸を訪ねて行った時であって、まだそれまでは、一の台の局に同情していたと云っても、一方に武士の矜りを捨てゝいなかったと云える。
第二は、舊主から永の暇を賜わって、全くの座頭となり下った時である。
此の時代の彼は既に武士ではなくなって、思いは日夜かの不仕合わせな上﨟母子の身の上に馳せながら、なお内心に何故とも知れざる自責の念と慚愧の情とが往来していた。