「お前たちは、よく/\仕合せな身の上だと思わなければなりませぬぞ。
人間が親を恋い慕うたり、故郷に憧れたりするのは、みな浅ましい煩悩の所業であるのに、山より外の世間を見ず、親も持たないお前たちは、煩悩の苦しみを知らずに生きて来られたのだ。
と、折々上人から諭されるにつけても、二人は自分たちの境遇の有り難さを、感謝せずには居られなかった。
「お前たちは、よく/\仕合せな身の上だと思わなければなりませぬぞ。
人間が親を恋い慕うたり、故郷に憧れたりするのは、みな浅ましい煩悩の所業であるのに、山より外の世間を見ず、親も持たないお前たちは、煩悩の苦しみを知らずに生きて来られたのだ。
と、折々上人から諭されるにつけても、二人は自分たちの境遇の有り難さを、感謝せずには居られなかった。