と云う文句は、二人の器量や品格が比較される度毎に、以前から屡〻人の口の端に上って、瑠璃光の耳にも響いて居たが、それを上人から聞かされるのは今日が始めてゞあった。
「ほしいまゝに掟を破って、山を脱け出るとは憎い奴だが、そんな愚かな真似をした罰で、憂き目を見て居るだろうと思うと、不便にも感ぜられる。
今ごろは犬に食われたか賊に浚われたか、恐らく無事で生きては居まい。
と云う文句は、二人の器量や品格が比較される度毎に、以前から屡〻人の口の端に上って、瑠璃光の耳にも響いて居たが、それを上人から聞かされるのは今日が始めてゞあった。
「ほしいまゝに掟を破って、山を脱け出るとは憎い奴だが、そんな愚かな真似をした罰で、憂き目を見て居るだろうと思うと、不便にも感ぜられる。
今ごろは犬に食われたか賊に浚われたか、恐らく無事で生きては居まい。