「さても其のゝちの数々の事ども、いずこに筆を起しいずこに筆をとゞむべくそうろうやらむ。
みずから山に罷りこし絶えて久しき対面して、まのあたり申し聞えんとおぼえ候えども、一旦掟を破りそうろう身にては、一乗のみね高くそばだちて仰ぐべからず、一味のたに深くたゝえて近づきがたしとこそ覚え候え………」
こう書いてある手紙の端を持ったまゝ、瑠璃光は自分の身を疑うが如く、たゞ上の空で、ところ/″\の文言を慌しく読み散らした。
「さても其のゝちの数々の事ども、いずこに筆を起しいずこに筆をとゞむべくそうろうやらむ。
みずから山に罷りこし絶えて久しき対面して、まのあたり申し聞えんとおぼえ候えども、一旦掟を破りそうろう身にては、一乗のみね高くそばだちて仰ぐべからず、一味のたに深くたゝえて近づきがたしとこそ覚え候え………」
こう書いてある手紙の端を持ったまゝ、瑠璃光は自分の身を疑うが如く、たゞ上の空で、ところ/″\の文言を慌しく読み散らした。