彼女は再び寝床へ這入ったが、矢張工合よく寝付かれないので、彼方此方寝返りを打ちながら、すやすやと寝ているらしい三人の寝息に耳を澄ました。
八畳の間の、床の間に沿うて幸子、その隣に妙子、二人の向う側に雪子と悦子、と云う風に、四人が頭を両方から向い合せて寝ているのであったが、ふと幸子は、誰かが微かな鼾を掻いているのに気づいて、なおよく耳を澄ますと、それは雪子であるらしかった。
彼女はその、細い、仄かな音を、こんなにも可愛い鼾があろうかと、感心しながら聞いていたが、その時寝ていると思った妙子が、
彼女は再び寝床へ這入ったが、矢張工合よく寝付かれないので、彼方此方寝返りを打ちながら、すやすやと寝ているらしい三人の寝息に耳を澄ました。
八畳の間の、床の間に沿うて幸子、その隣に妙子、二人の向う側に雪子と悦子、と云う風に、四人が頭を両方から向い合せて寝ているのであったが、ふと幸子は、誰かが微かな鼾を掻いているのに気づいて、なおよく耳を澄ますと、それは雪子であるらしかった。
彼女はその、細い、仄かな音を、こんなにも可愛い鼾があろうかと、感心しながら聞いていたが、その時寝ていると思った妙子が、