何でも最初に来た時はまだあの離れが建っていなかったので、姉夫婦に幸子達五人が広い座敷に枕を並べて寝たのであったが、それがどうもこの部屋であったらしい。
幸子は外のことは忘れてしまったが、妙なことに、鉢前の木賊を覚えていた。
なぜと云って、その木賊はそこの縁先に非常に夥しく蕃殖し、青い細い茎が雨の脚のように一面にすくすくと群生しているのがちょっと奇異な見物なので、珍しいなあと思った当時の印象が、今も消えずにいたのであろう。
何でも最初に来た時はまだあの離れが建っていなかったので、姉夫婦に幸子達五人が広い座敷に枕を並べて寝たのであったが、それがどうもこの部屋であったらしい。
幸子は外のことは忘れてしまったが、妙なことに、鉢前の木賊を覚えていた。
なぜと云って、その木賊はそこの縁先に非常に夥しく蕃殖し、青い細い茎が雨の脚のように一面にすくすくと群生しているのがちょっと奇異な見物なので、珍しいなあと思った当時の印象が、今も消えずにいたのであろう。