妙子は、悦子の学校が明日から休暇になると云う二十三日の朝、殆ど二箇月ぶりにやって来て、正月の衣類を鞄に詰め、一時間程話してから、松の内が過ぎたら年始を祝いに来ると云って帰ったが、正月十五日の朝に来て、小豆粥を食べ、その日は少しゆっくりして午後に帰った。
幸子は暮れに風邪を引いてから寒さに怯えて、ずっと引き籠ってばかりいたが、映画好きの雪子も、ひとりでは決してそう云う所へ出歩かなかった。
いったい彼女はこの年になっても人みしりが強く、ちょっとした買い物に出かけるのにも誰かを連れて行くと云う風なので、幸子は彼女に稽古事をさせるために、自分も附き合って習字や茶の湯の師匠の許へ通っていたが、そんな風でも困るからと云うので、三度に一度はひとりで行かせるようにした。