鈴もさっきから煖炉の前にやって来て蹲踞まりながら、好い心持そうに眼をつぶってうとうとしていたのであるが、妙子に云われて気が付いて見ると、謡曲の鼓の音がぽんと鳴るたびに、鈴の耳がピンと動く。
耳だけがその音響に反射的に動くので、猫自身は何も意識していないかのように見える。
「何でやろ、この耳、………」
鈴もさっきから煖炉の前にやって来て蹲踞まりながら、好い心持そうに眼をつぶってうとうとしていたのであるが、妙子に云われて気が付いて見ると、謡曲の鼓の音がぽんと鳴るたびに、鈴の耳がピンと動く。
耳だけがその音響に反射的に動くので、猫自身は何も意識していないかのように見える。
「何でやろ、この耳、………」