自分たちの中では一番向う見ずで「変り種」とさえ云われている妙子でも、いざとなれば多少は世間を恐れる気があって、未だに好きな人と一緒になることも出来ずにいるのに、妙子よりも歳下な筈のカタリナは、母をも兄をも家をも捨てて、世界を股にかけて歩いて、自分でさっさと自分の運命を開拓する。
何もカタリナのようなのが羨しいと云うのではなく、あんなのよりは雪子ちゃんの方がどんなによいかと思うけれども、でも兄や姉が四人までも揃っていながら、今以て適当な聟を見つけてやることが出来ないとは何と云う腑甲斐なさか。
雪子ちゃんのような大人しい人に、決してカタリナの真似なんぞして貰いたくはないし、しろと云っても出来ないところが雪子ちゃんの値打ちだけれども、保護者としての責任のある本家やあたしたち夫婦はあの露西亜娘に対しても耻かしくはないか。