問題は何処までも、そんなに安っぽく臀を持ち上げたくないと云うこと、結局は申込みに応じたいのだが、今日のところは辞柄を構えて二三日でも先へ延ばしたいと云うこと、要するに何となく勿体を付けて見たいだけのことなのであるが、一方では又、あんなに意気込んでいてくれるのに、それを素直に受け入れないでは、先方の感情がどうであろうかと云う配慮もあった。
彼女はたった今電話で聞いたこと、―――陣場夫人が怒っていると云うことが、何か知らぐんと胸に来たので、そのために今日はひとしお気が弱くなっていた。
あの、一昨年の春野村と云う人の縁談を断った時、本家が承知してくれないからと云うことにして随分婉曲にその意味を通じたつもりであったが、やっぱりあれが相当強くこたえたのであろうか。