雪子が微かに頷いたのを看て取って、幸子は大阪の事務所へ急報で申込んだ。
十四
貞之助は、井谷と雪子とが別々に出て五時半に事務所で落ち合う手筈であると聞いて、それで差支えないけれども、井谷は時間通りキッチリ来るに違いないから、雪子ちゃんもそれに遅れないように、―――井谷より二三十分早く着くくらいに来て欲しい、と、固く云って置いたのであったが、五時十五分過ぎになってもまだ見えそうな様子がないので、気が気でなかった。
雪子が微かに頷いたのを看て取って、幸子は大阪の事務所へ急報で申込んだ。
十四
貞之助は、井谷と雪子とが別々に出て五時半に事務所で落ち合う手筈であると聞いて、それで差支えないけれども、井谷は時間通りキッチリ来るに違いないから、雪子ちゃんもそれに遅れないように、―――井谷より二三十分早く着くくらいに来て欲しい、と、固く云って置いたのであったが、五時十五分過ぎになってもまだ見えそうな様子がないので、気が気でなかった。