年齢は四十五六と聞いたが、顔から手頸、指の先に至るまでむっちりと脂肪分の行き亘った色白な皮膚で、目鼻立ちの整った豊頬の好男子であるけれども、肥えているために軽薄には見えず、年相応に貫禄のついた紳士で、先ず今日迄の見合いで出遇った候補者の中では、この男の風采が一等であるかも知れない。
酒も貞之助程ではないが多少は行けて、差されれば敢て辞退しなかった。
で、本来ならば馴染のうすい寄り集りで、座が白けるところであるのに、二人の女ギャングが勇敢であるのとこの男が物馴れているのとで、席上の会話がすらすら運んだ。