貞之助は気が付いて、毎年の京の花見の写真などが貼ってあるアルバムを持って来させたが、説明役は主に幸子が負わされて、たまに雪子と悦子とが傍から遠慮がちに補足を入れた。
幸子はこう云う時に妙子がいたら適当に諧謔を弄したりして座を浮き立たせてくれるのに、と思ったことであったが、同じ思いは恐らくほかの三人の胸にも潜んでいたであろう。
そうこうするうち、二三十分と云ったのが一時間にもなった時分、橋寺が腕時計を見て、ではわたくしは、と、椅子を離れたので、丹生夫人も井谷も立ち上った。
貞之助は気が付いて、毎年の京の花見の写真などが貼ってあるアルバムを持って来させたが、説明役は主に幸子が負わされて、たまに雪子と悦子とが傍から遠慮がちに補足を入れた。
幸子はこう云う時に妙子がいたら適当に諧謔を弄したりして座を浮き立たせてくれるのに、と思ったことであったが、同じ思いは恐らくほかの三人の胸にも潜んでいたであろう。
そうこうするうち、二三十分と云ったのが一時間にもなった時分、橋寺が腕時計を見て、ではわたくしは、と、椅子を離れたので、丹生夫人も井谷も立ち上った。