その報告の内容は、幸い櫛田医師の同窓の親友に橋寺と昵懇な者があったとやらで、可なり行き届いていて、当人のことや国元のことは素より、娘の性質が柔順であることや女学校の評判も悪くないことまで一層よく分り、貞之助が今迄に聞き集めた事実を裏書するようなものであったが、櫛田医師も帰りがけに、この人物は僕も極力推奨しますと、一言附け加えたくらいであった。
今度こそ雪子ちゃんに運が向いて来たのだ、何とかしてこれを纏めなければ、―――貞之助はそう妻にも云って、少し非常識になるけれども、思い切って巻紙五六尺ばかりの手紙を書いた。
―――こう云うことを書面を以て申上げる失礼は分っているけれども、義妹のことにつき是非とも貴下に聞いて戴いて御考慮を願いたいことがあり、先日拝顔の節も口元まで出かかっていながら申しそびれてしまったので、無躾をも顧みずこれをしたためるのである。