そして阪急で梅田に出、タキシーに乗ると「烏ヶ辻まで」と、ついそう命じてしまった。
と云うのは、出がけに橋寺の家の番地を覚えて来たのではあるが、兎に角近所まで行って、どんな家に住んでいるのか、それとなく前を通って見よう、と云うぐらいな気持だったので、訪問しようとまで考えていたのではなかった。
で、ここらあたりと思う辻で車を下りて一軒々々表札を読んで行くと、その日は今年になって初めての春らしい天気であったせいか、歩いていてもひとりでに足が弾み、何となしに幸先がよいような気がして来た。
そして阪急で梅田に出、タキシーに乗ると「烏ヶ辻まで」と、ついそう命じてしまった。
と云うのは、出がけに橋寺の家の番地を覚えて来たのではあるが、兎に角近所まで行って、どんな家に住んでいるのか、それとなく前を通って見よう、と云うぐらいな気持だったので、訪問しようとまで考えていたのではなかった。
で、ここらあたりと思う辻で車を下りて一軒々々表札を読んで行くと、その日は今年になって初めての春らしい天気であったせいか、歩いていてもひとりでに足が弾み、何となしに幸先がよいような気がして来た。