貞之助は暫く門前に彳んで、折柄の朝日に葉が一つ一つキラキラと光る松の葉越しに、硝子障子が半分ばかり開いている二階の欄干を見上げていたが、折角此処迄来たのにと思うと又気が変り、ふらふらと門内へ這入って行って玄関のベルを押してしまった。
取次に出た五十恰好のばあやが間もなく二階へ案内したが、階段の途中まで上りかけた時、
「やあ」
貞之助は暫く門前に彳んで、折柄の朝日に葉が一つ一つキラキラと光る松の葉越しに、硝子障子が半分ばかり開いている二階の欄干を見上げていたが、折角此処迄来たのにと思うと又気が変り、ふらふらと門内へ這入って行って玄関のベルを押してしまった。
取次に出た五十恰好のばあやが間もなく二階へ案内したが、階段の途中まで上りかけた時、
「やあ」