十七
その日、帰宅した夫から上々の首尾であったことを聞かされた幸子は、あなたもえらい心臓になりなさったと冷やかしながら、内心大いに喜んだことであったが、昔であったらなかなか喜ぶどころではなく、何ぼ何でも不見識なと、怒らずにはいなかったろうし、夫にしてもまさかそれ程厚かましくは振舞わなかったに違いないので、雪子の縁談のことについては我ながら変節したことに驚かれるのであった。
で、これ以上働きかけるのは止めにして、次の日曜を待つことにしたが、その間に一遍丹生夫人から電話があった。
十七
その日、帰宅した夫から上々の首尾であったことを聞かされた幸子は、あなたもえらい心臓になりなさったと冷やかしながら、内心大いに喜んだことであったが、昔であったらなかなか喜ぶどころではなく、何ぼ何でも不見識なと、怒らずにはいなかったろうし、夫にしてもまさかそれ程厚かましくは振舞わなかったに違いないので、雪子の縁談のことについては我ながら変節したことに驚かれるのであった。
で、これ以上働きかけるのは止めにして、次の日曜を待つことにしたが、その間に一遍丹生夫人から電話があった。