今日の食事の場所については、支那料理、オリエンタルのグリル、しっぽく料理の宝家、等々の案も出たことだけれども、神戸見物と云う意味では菊水が一番珍しかろう、と云うことになった訳であった。
おそい昼食を二時頃から始めて四時頃に終え、帰りは元町から三宮町まで散歩してユーハイムで一と休みし、阪急に乗る父子を見送ってから、四人は阪急会館へ亜米利加映画の「コンドル」を見に這入ったりしたが、その日は双方の家族が顔つなぎをしたと云う程度で、そう一遍に打ち解けると云うところまでは行かなかった。
と、その翌日の午後であった、雪子がひとり二階で習字をしているところへお春が上って来て、