でも、これから幸子が駈け着けて行っても恐らくそれ迄には切れてしまうであろうし、切れていなかったとしても、代りに出てどんな詑言が云えるであろう。
兎に角今日は雪子が自分で出なければ、―――それも直ぐ飛んで出なければいけない場合なのである。
幸子は虫が知らすと云うのか、この小さな事件が原因で、折角此処まで運んで来たものが駄目になってしまうのではないかと、ふっとそんな予感もしたが、しかし橋寺はああ云う如才ない愛想のよい人物であるから、まさか一遍そんなことがあったぐらいで話を打ち毀すの何のと云うこともあるまい、と思えた。