とすると、今日のところはこのままにして置いて、明日でも幸子が丹生夫人の所へ出向き、雪子の性格を委しく説明して、決して当人は橋寺を疎んじているのでも、一緒に歩くのを嫌っているのでもないのであること、ただ今迄が余りお嬢さん過ぎたので、ああ云う場合についドギマギして臀込みしてしまうのであるが、それだけ純なところもあること、等々を橋寺に伝えて貰う、と云うようにでもしたらば、多分橋寺も諒解してくれはしないであろうか。
幸子が庭を歩きながらこんな思案に耽っている時、台所の方で又電話のベルが鳴り出したようであったが、お春がテラスへ駈けて来て、
「電話でございます」