………今迄幸子は、妙子のことで我慢のならないことがあると雪子に訴え、雪子のことは妙子に訴えしていたので、平素はさほどでもないけれども、こう云う時に妙子が家にいないのは、この上もなく淋しくもあり不便でもあった。
「お母ちゃん」
と、悦子が書斎の襖を開けて、閾際に立ちながら、怪訝そうな眼つきで母親の顔を覗き込んだ。
………今迄幸子は、妙子のことで我慢のならないことがあると雪子に訴え、雪子のことは妙子に訴えしていたので、平素はさほどでもないけれども、こう云う時に妙子が家にいないのは、この上もなく淋しくもあり不便でもあった。
「お母ちゃん」
と、悦子が書斎の襖を開けて、閾際に立ちながら、怪訝そうな眼つきで母親の顔を覗き込んだ。