折角あんさんに骨折って貰いましたけど、えらいことになってしまいましてんわ。
今日話そうか明日にしようかと、さっきまで迷っていた彼女は、夫の顔を見た途端に黙っていられないようになったのであるが、それでも夫は、一瞬間さっと顔色を変えはしたものの、微かに溜息を洩らしただけで、そう不愉快を露骨に現わすこともなく、しまいまで物静かに聞いた。
夫の落ち着いているのを見ると、幸子の方が又もう一度口惜しくて溜らなくなり、こんなに私等に心配させて置いて何と云う人だろうと、ついぞないことに雪子を激しく批難したりした。