たといお前が居合せたにしても、雪子ちゃんには上手な応対が出来る筈がない、それに又、快く先方の申込みに応じて一緒に散歩することを承知するのでなかったら、どのみち相手に不満を抱かせることは避け難いのではないか、とすれば今日の出来事は雪子ちゃんの性格に基因していることで、お前が傍にいてもいないでも、それは大した関係はない、今日のところは何とか巧く切り抜け得たとしても、今後もこれに似た事件は何遍でも起る可能性があるから、結局この縁談は成立しない運命にあったのだ、雪子ちゃんが生れ変って来ない限り、こうなることは雪子ちゃんの宿命であるかも知れない。
「あんたのように云いなさったら、雪子ちゃんはお嫁に行けん、云うことになってしまいますやないの」
「そうやないねん、僕の云うのんは、ああ云う風な引っ込み思案の、電話も満足によう懸けんような女性にも亦自らなるよさがある。