と、幸子は直ぐあとに続けてその言葉を叩き着けたかったのを、さすがにぐっと嚥み下してしまったが、それにしてもこの妹は果して今日の失錯を「失錯」と感じているのであろうか、それならそのように、「済まなかった」と云う一言を夫の前で云ってくれるとよいのであるが、こう云う時に気が付いていても決してそれを云わない人であることを思うと、又しても面憎くなって来るのであった。
十八
橋寺が腹を立てた事情は、翌日井谷が訪ねて来て委しく幸子に話したので、一層明瞭になった。
と、幸子は直ぐあとに続けてその言葉を叩き着けたかったのを、さすがにぐっと嚥み下してしまったが、それにしてもこの妹は果して今日の失錯を「失錯」と感じているのであろうか、それならそのように、「済まなかった」と云う一言を夫の前で云ってくれるとよいのであるが、こう云う時に気が付いていても決してそれを云わない人であることを思うと、又しても面憎くなって来るのであった。
十八
橋寺が腹を立てた事情は、翌日井谷が訪ねて来て委しく幸子に話したので、一層明瞭になった。