残念ながら小生は、彼女が落第したことをハッキリと認めざるを得ない者で、もはやこの問題について貴下の御再考を懇願する鉄面皮は持ち合せない。
要するに、あの妹をああ云う時代後れの女に育てたのは家庭の躾方が悪かったので、これと申すも、母を早く失い、若くして父にも別れた境遇のせいであるけれども、小生等にも一半の責任が存することは勿論である。
ただ、小生等は、あの妹を知らず識らず身贔屓して実際以上に買い被っていたかも知れないが、しかしこの縁談を無理に纏めようとして貴下に対し虚偽を申上げた覚えはないので、そのことだけは御諒解なすって戴きたい。