貴下は御令妹のことを時代後れのふつつか者であると仰せられたが、それは御謙遜であって、御令妹がいくつになられても当世風に馴染まれず、飽く迄も生娘の純真さを保っておられるのは寔に貴いことである。
蓋しそう云う女性の夫たるべき者は、その純真さを高く評価し、その貴さを損わないように大切に庇護して行く義務があり、それには何よりも深い理解と繊細なる心づかいとが必要であるので、小生の如き田舎生れの野人には全然その資格がない。
小生はかく考え、双方のために幸福でないと信じたるが故に御辞退申上げたのであって、御令妹に関し、何か失礼な批評を加えたようにお取りになっては心外である。