と、幸子も云って、
「―――アパートやったらよかったのんに、啓坊の所やったら、やっぱり呼ばん方がええやろな」
幸子には、あれで案外気の弱いところのある妙子が、中姉ちゃんに黙っててほしいなどと口の先ではえらがりを云っても、本当の気持はその反対であることがよく分るので、こう云う時にはきっと家庭の有難みを身に沁みて想い出しているであろうし、自分や雪子が側にいてくれないことをどんなにか心細く感じているであろうと察した。
と、幸子も云って、
「―――アパートやったらよかったのんに、啓坊の所やったら、やっぱり呼ばん方がええやろな」
幸子には、あれで案外気の弱いところのある妙子が、中姉ちゃんに黙っててほしいなどと口の先ではえらがりを云っても、本当の気持はその反対であることがよく分るので、こう云う時にはきっと家庭の有難みを身に沁みて想い出しているであろうし、自分や雪子が側にいてくれないことをどんなにか心細く感じているであろうと察した。