でも奥畑は、赤痢ぐらいで一々入院することはない、みんな自宅で直しているやないか、と云ったりして、構うことはないからそれに極めて、医者には何とか納得して貰おう、それとも蘆屋の姉さんの考を聞いてみようかと、お春に相談があったので、そんなら何と仰っしゃいますか伺って参りましょうと、電話では埒が明かないと思ったので、大急ぎで戻って参りました、と、そう云うのであった。
その医者と云うのはどんな人か、と聞くと、矢張阪大出の斎藤と云う人で、櫛田医師より二つ三つ若く見える。
父の代からこの町に開業していて、老先生と云われる人もまだ生きており、父子ともそう評判は悪くないが、お春の観察では櫛田医師のようにテキパキしたところがない。