この児は去年の暮以来姿を見せぬ妙子のことを、仕事が忙しいのであろうと云う風に聞かされて来たのであるが、それでもお春から事情をあらまし知らされていたし、又或る程度は知っていてくれる方が母にも都合の好いことがあった。
彼女はそれから二三日の間、お春だけが頻繁に往ったり来たりして、雪子がちょっとも戻って来ないのを見ると、いよいよ不安で溜らなくなったらしく、お春のあとを追いかけてはその後の容態を尋ねていたが、しまいには母を掴まえて、
「こいちゃん何で家へ連れて来えへんの。
この児は去年の暮以来姿を見せぬ妙子のことを、仕事が忙しいのであろうと云う風に聞かされて来たのであるが、それでもお春から事情をあらまし知らされていたし、又或る程度は知っていてくれる方が母にも都合の好いことがあった。
彼女はそれから二三日の間、お春だけが頻繁に往ったり来たりして、雪子がちょっとも戻って来ないのを見ると、いよいよ不安で溜らなくなったらしく、お春のあとを追いかけてはその後の容態を尋ねていたが、しまいには母を掴まえて、
「こいちゃん何で家へ連れて来えへんの。