それは一つには、下痢を催すと下腹が痛んで苦しがるので、下痢止めを飲ませるせいなので、下痢を止めると身ぶるいが来て熱が上る。
反対に通じをつけると熱は下るが、徒に腹が痛んで、出るものは水のようなものばかりなのである。
病人は昨今めっきり元気がないようになり、医者も心臓が少し弱って来たようだと云っているので、雪子は気が気でなく、一体こんなことをしていて直るのだろうか、ただの赤痢ではないようにも見えるが、何か余病でも出たのではないか、と云い、そろそろリンゲルかヴィタカムフルの注射でもしてくれたらと、医者にそう云って見るのだけれども、まだそれには及びますまいと云って、してくれないのであると云う。