まあ云って見れば、日頃の不品行な行為の結果が、平素は巧みな化粧法で隠されているのだけれども、こう云う時に肉体の衰えに乗じて、一種の暗い、淫猥とも云えば云えるような陰翳になって顔や襟頸や手頸などを隈取っているのであった。
幸子はそれをそうはっきりと感じたのではないが、でもぐったりと寝床の上に腕を投げ出している病人は、病苦のための窶ればかりではなしに、数年来の無軌道な生活に疲れ切ったと云う恰好で、行路病者の如く倒れているのであった。
いったい妙子ぐらいの年齢の女が長の患いで寝付いたりすると、十三四歳の少女のように可憐に小さく縮まって、時には清浄な、神々しいような姿にさえなるものだけれども、妙子は反対に、いつもの若々しさを失って実際の歳を剥き出しに、―――と云うよりも、実際以上に老けてしまっていた。