いったい妙子ぐらいの年齢の女が長の患いで寝付いたりすると、十三四歳の少女のように可憐に小さく縮まって、時には清浄な、神々しいような姿にさえなるものだけれども、妙子は反対に、いつもの若々しさを失って実際の歳を剥き出しに、―――と云うよりも、実際以上に老けてしまっていた。
それに、奇異なことは、あの近代娘らしいところが全然なくなって、茶屋か料理屋の、―――而も余り上等でない曖昧茶屋か何かの仲居、と云ったようなところが出ていた。
かねがねこの妹だけは、姉妹たちの中で一人飛び離れて品の悪いところがあったには違いないが、そう云ってもさすが何処かにお嬢さんらしさがあることは争えなかったのに、その、どんよりと底濁りのした、たるんだ顔の皮膚は、花柳病か何かの病毒が潜んでいるような色をしていて、何となく堕落した階級の女の肌を連想させた。