それに、奇異なことは、あの近代娘らしいところが全然なくなって、茶屋か料理屋の、―――而も余り上等でない曖昧茶屋か何かの仲居、と云ったようなところが出ていた。
かねがねこの妹だけは、姉妹たちの中で一人飛び離れて品の悪いところがあったには違いないが、そう云ってもさすが何処かにお嬢さんらしさがあることは争えなかったのに、その、どんよりと底濁りのした、たるんだ顔の皮膚は、花柳病か何かの病毒が潜んでいるような色をしていて、何となく堕落した階級の女の肌を連想させた。
それは一つには、上に懸けてある羽根布団のけばけばしさに対照されて、病人の複雑な不健康さが一層際立ってもいたのであろう。