が、つづいて櫛田医師に懸けると、この方は忙しい人なのでなかなか掴まらず、患家先をそれからそれへと問い合せて漸く連絡がつき、その承諾が得られたのは夕方の六時過ぎであった。
幸子は一刻も早い方がとは思ったけれども、そうなればそのようにいろいろ打ち合せもしなければならず、それと云わずに内々憂慮しているらしい貞之助にも、こうなって来たいきさつを話して費用なども出して貰う必要があるので、身柄を移すのは明日の朝の予定にした。
で、そのことを西宮へ知らせにやったのが七時過ぎであったが、お春は十二時頃に帰って来て雪子の伝言を告げ、あれから後に又さまざまな事件があったことを語った。