幸子は一刻も早い方がとは思ったけれども、そうなればそのようにいろいろ打ち合せもしなければならず、それと云わずに内々憂慮しているらしい貞之助にも、こうなって来たいきさつを話して費用なども出して貰う必要があるので、身柄を移すのは明日の朝の予定にした。
で、そのことを西宮へ知らせにやったのが七時過ぎであったが、お春は十二時頃に帰って来て雪子の伝言を告げ、あれから後に又さまざまな事件があったことを語った。
先ず病人の容態については、あれから幸子が辞去すると間もなく寒気がすると云ってガタガタ顫え出し、熱が一時は四十度以上に昇ったが、晩方になってもまだ八度内外はあった。