雪子はその場の様子から、昨夜の妙子の譫語が原因で二人の間に感情の縺れがあるらしいことを察したが、それには触れずに、病人に食って懸ろうとする奥畑を宥め、御好意は寔に有難いけれども、自分たちとしてもそう長い間病気の妹をお預けして置く訳にも行きかねるし、蘆屋の姉もこう云って来たので、と、蒲原病院へ入院させる手筈が整ったことを話して、纔かに奥畑を得心させたのであった。
二十一
明くる日の朝、妙子は八時に廻された寝台自動車で運び出されたが、その時にも亦ちょっとした悶着があった。
雪子はその場の様子から、昨夜の妙子の譫語が原因で二人の間に感情の縺れがあるらしいことを察したが、それには触れずに、病人に食って懸ろうとする奥畑を宥め、御好意は寔に有難いけれども、自分たちとしてもそう長い間病気の妹をお預けして置く訳にも行きかねるし、蘆屋の姉もこう云って来たので、と、蒲原病院へ入院させる手筈が整ったことを話して、纔かに奥畑を得心させたのであった。
二十一
明くる日の朝、妙子は八時に廻された寝台自動車で運び出されたが、その時にも亦ちょっとした悶着があった。