ところが先月の末突然啓坊からお春に電話が懸り、こいさんの病気のことを知らせて来ました。
まことに都合の悪いことには、啓坊の家に遊びに行っていて発病しましたので、動かすこともならず、そのままそこに寝かせてあると云うことでしたが、最初は病名もよく分らず、そう重大にも考えられなかったので、知らない体にしていましたところ、その後だんだん赤痢の徴候が明かになりました。
しかしもう絶縁したのですし、啓坊の家で世話になっているものを、引取ってよいものかどうか迷ったのですが、お春がえらく心配して、赤痢も悪性の赤痢だし、お医者さんも近所のたよりない人に見て貰ってるだけ、手当も十分には行き届かず、それに高熱と下痢とで日々の苦痛が激しく、大変衰弱して別人のように痩せ細っておられますと云う話。