貞之助も今度は仕方がないと思っているらしく、内々心配もしていてくれるようですが、まだ今のところ自身見舞いに行くようなことはしてくれません。
しかし、よもやとは思いますけれども、万一危篤の場合には電報でお知らせしますから、何卒姉ちゃんも、そんなことが絶無ではないと云うことを覚悟していらしって下さい。
尤も櫛田先生の意見では肝臓膿瘍ではなさそうだと云うことで、必ずしも危険な状態ではない、大体順当な経過であると云っておられるのですが、どうも私は、いやなことを云うようですが今度に限って櫛田先生の診察が間違っていはしないかと思えてなりません。