そして、だんだん灰が溜って来たのを足もとに捨てようとして躊躇し、座敷の中をキョロキョロ見廻して、済みませんが、灰皿おまへんやろかと、誰に云うともなく云ったが、「水戸ちゃん」が気を利かして、有り合う紅茶々碗の皿を持って行った。
「こいさん、えらい良えのやそうやな」
奥畑はそう云いながら、片脚をすっかり縁側の閾に載せて、真っ直ぐに伸ばして、開け切った硝子障子の縁を踵で押さえ、新調の靴が妙子の方へよく見えるようにした。
そして、だんだん灰が溜って来たのを足もとに捨てようとして躊躇し、座敷の中をキョロキョロ見廻して、済みませんが、灰皿おまへんやろかと、誰に云うともなく云ったが、「水戸ちゃん」が気を利かして、有り合う紅茶々碗の皿を持って行った。
「こいさん、えらい良えのやそうやな」
奥畑はそう云いながら、片脚をすっかり縁側の閾に載せて、真っ直ぐに伸ばして、開け切った硝子障子の縁を踵で押さえ、新調の靴が妙子の方へよく見えるようにした。