「あの人、えらい六代目贔屓やてな」
「この間から一遍六代目と飯食うさかい来給え云われててんけど、六代目の奴、なかなか来おれへなんでん。
生れつき急勝で、注意力が散漫で、じっと一つ事に身を入れることの出来ない奥畑は、見る物と云ってはせいぜい映画ぐらいなところで、芝居などは辛気臭がってめったに覗かないのであるが、それでいて俳優と交際することを好み、以前金廻りの好かった時代には、しばしば彼等を茶屋や料理屋へ招いたものであった。
「あの人、えらい六代目贔屓やてな」
「この間から一遍六代目と飯食うさかい来給え云われててんけど、六代目の奴、なかなか来おれへなんでん。
生れつき急勝で、注意力が散漫で、じっと一つ事に身を入れることの出来ない奥畑は、見る物と云ってはせいぜい映画ぐらいなところで、芝居などは辛気臭がってめったに覗かないのであるが、それでいて俳優と交際することを好み、以前金廻りの好かった時代には、しばしば彼等を茶屋や料理屋へ招いたものであった。