「こいさん、怒らへなんだかいな」
「いいえ、機嫌ようお話しになっていらっしゃいましたようでしたけど、………」
幸子は取り敢えずお春をそこに残して置いて、自分ひとり離れ座敷の夫の書斎へ行き、卓上電話に雪子を呼び出して(電話嫌いの雪子は最初「水戸ちゃん」を代りに出したが、済まないが雪子ちゃんに出て貰ってほしいと云うと、不承々々に自分が出た)聞いて見ると、まだ啓坊はいると云う返辞であった。
「こいさん、怒らへなんだかいな」
「いいえ、機嫌ようお話しになっていらっしゃいましたようでしたけど、………」
幸子は取り敢えずお春をそこに残して置いて、自分ひとり離れ座敷の夫の書斎へ行き、卓上電話に雪子を呼び出して(電話嫌いの雪子は最初「水戸ちゃん」を代りに出したが、済まないが雪子ちゃんに出て貰ってほしいと云うと、不承々々に自分が出た)聞いて見ると、まだ啓坊はいると云う返辞であった。