しかしだんだん本当に暗くなって来たので、仕方なく電燈をつけた。
そして、病人の夕飯の時間が過ぎてしまうので、「水戸ちゃん」を呼んで、重湯を持って行かせた。
奥畑はそれでも平気で、食慾があるかとか、いつからお粥が食べられるかとか、僕も腹が減って来たが何か取って貰えないかとか、この辺では何処がおいしいだろうかとか、そんなことまで云い出したが、しまいに「水戸ちゃん」までが次の間へ逃げ込んで、病人と二人きりにさせて置いたところ、そのうち実際空腹になって来たと見えて、「では失礼いたします、えらい長いことお邪魔しました」と、次の間の方へ声をかけて、又縁側から庭へ降りて帰って行った。