………誰にも身贔屓と云うものはあるから、婆やの眼には啓坊と云うものが純真の青年のように映るのであろうけれども、実際は決してそんなにこいさんに対して生一本な愛を捧げていたのではあるまい。
彼を軽薄な極道息子であると見る夫やこいさんの観察の方が、多分当っているのでもあろう。
が、だからと云って、こいさんを一種のヴァンパイアのように云う婆やの言葉迄を、虚言であるとすることは出来ない。
………誰にも身贔屓と云うものはあるから、婆やの眼には啓坊と云うものが純真の青年のように映るのであろうけれども、実際は決してそんなにこいさんに対して生一本な愛を捧げていたのではあるまい。
彼を軽薄な極道息子であると見る夫やこいさんの観察の方が、多分当っているのでもあろう。
が、だからと云って、こいさんを一種のヴァンパイアのように云う婆やの言葉迄を、虚言であるとすることは出来ない。