だから幸子は、妙子の生活の内幕についてたまたま疑惑を感じることがあっても、いつもこれらの理由を思って心の中で打ち消し打ち消しして来たのであったが、………親兄弟の力も借らず、まして他人の支持などには頼らず、女の腕一つで独立独行していると云う妙子の言葉を、努めてその通りに受け取っていたのであったが、………それがやっぱり身贔屓と云うものであったのか。
………でも、妙子は始終奥畑のことを何と云っていたか。
まるで経済的無能力者のように云い、世話になるどころか、将来自分が養ってやらねばならぬ人間のように云っていたではないか。